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イナラハン
Inarajan
カトリック教会:聖ヨセフ教会、サンイシドロ教会(マロロ地区)
フィエスタの時期:3月(マロロ地区)と5月
地区の概要
外の世界から見ると、まるで時計の針がとまっているように見えるイナラハン地区。イナラハン湾沿いに、スペイン統治時代の雰囲気が最も色濃く残っており、ほぼ手つかずのまま現在に至っています。
最近まで一方通行だったスペイン風の細い道をドライブすれば、古い家並みに歴史が映し出されているのがわかるはず。建築にはスペイン統治時代とアメリカ統治時代初期(1900年代初頭)の影響が交錯しています。
伝統的な風習も数多く受け継がれ、聖ヨセフ教会は年1回のフィエスタはもちろん、さまざまなアクティビティの拠点に。住民は少数の家族だけで、そのルーツは、イナラハンの地で深く絡みあっています。外部からの移住者はきわめて少なく、現代的な建物もほとんどありません。
歴史ある雰囲気に一役買っているのは、近年登場したグアム歴史村 イナラハン・ゲフパゴ公園。湾岸にある文化村には古代を思わせる草葺き小屋が並び、チャモロ人のお年寄りたちが伝統的なアートや工芸品、料理を披露しています。
歴史
初期の住民についてはあまり知られていませんが、村落はスペイン人の到来前に存在していました。スペインによって正式に村が建設されたのは1680年。聖ヨセフ教会も建てられ、スペイン統治時代の主要集落の1つになりました。村は教会を中心にしてスペイン式に設計されています。
スペインの影響で、想定外の住民も加わりました。マリアナ諸島最北のガニ地域(アナタハン、サリガン、アラマガン、パガン、アグリハン、アスンシオン)の住民が1600年代後半、イナラハンとメリッソに移住させられたのです。村落の統合・整理を含め、こうしたチャモロ人の強制移住はスペイン・チャモロ戦争中、先住民を効果的に支配するために行われました。今でもイナラハンには「アスガニ」として知られる一画があります。
聖ヨセフ教会の名前は村の守護聖人サンホセ(聖ヨセフ)にちなんだもの。立派なヨセフ像はスペイン人によってグアムへ運ばれたと伝えられています。ウマタックを目指していた船が嵐に阻まれてイナラハンにたどり着き、ヨセフ像はこの地にとどまることになったのです。
何度か再建を重ねたのち、現在の聖ヨセフ教会は1939年に建てられました。第二次大戦の爆撃や1993年の地震のダメージで倒れた尖塔は、90年代後半に教区会と司祭、そして地元の信者たちの手で修復されています。