下條村海外研修のレポート
日本から約3時間で行くことができるグアムは、美しい自然だけではなく、
独自の文化を持つグアムは、修学旅行にも最適の場所です。
現代的なアメリカの生活様式に、ミクロネシア文化と大航海時代のスペイン文花が同居した独自の文化を持つグアム。
ここでは、そんなグアムを訪れた下條村の海外派遣事業のレポートをご案内します。
副団長より 下條村海外派遣事業 副団長(下條中学校長)小林 弘
研修視察地を南半球から変更して、4度目の訪問となった「グアム」
事前の説明会での生徒たちの関心事は
「ホームステイは大丈夫か」
「英語は通じるか」
「学校との交流では何をするか」
等であった。「○○を見たい」「○○を買いたい」等の観光気分はあまり感じられなかった。
夕方到着後、すぐホストファミリー宅へ。
翌朝の生徒の様子は、晴れ晴れとした表情であった。そこには何とか言葉の壁や不安を乗り越え、新しい体験をしたことの満足感に溢れていた。
次第に滞在先の生徒と楽しそうに話している光景が見られるようになり、「グアムに来てよかった」と実感する生徒が多くなっていった。
二日目からのグアム・インターナショナル・クリスチャン・アカデミー校における理科や社会の授業参観や歌・花札・折り紙・けん玉を使った文化交流、英語で 説明し合うラグビーのスポーツ交流は、和やかな雰囲気と何とか伝えよう、理解しようとする意欲に満ち、次世代を担っていく若者のバイタリティを感じた。
日本から距離的に身近な「アメリカ・グアム」において、ホストファミリーの温かさ、人々のホスピタリティ、現地日系企業の職場見学、グアムの歴史と文化...。
「ハードなスケジュールだったけれど、観光旅行では味わえないものを得た」と多くの生徒が述べている。未来ある子どもたちの大事な「感性」と「人生の土壌づくり」のために、お世話になった全ての方々に心より感謝を申し上げたい。
下條村海外研修事業に参加して 下條中学校教諭 猪切 洋二
今回の研修旅行で一番の収穫は、現地の人々と接する中で、コミュニケーションの大切さを学べたことです。
どちらかというと自分から積極的にコミュニケーションをとることが苦手な生徒たちですので、自分たちだけで寄り添いあって、ただの観光旅行で終わってしま うのではないか、という不安もありましたが、たった3泊のホームステイの中で、自らの思いを簡単な英語で語れるようになりました。
ちょっとした動作の中にも「サンキュー」「ソーリー」などの表現が自然と表れ、表情も豊かになった気がしました。
私自身は、ある程度の英語は通じると思って参加したこの研修でしたが、リスニングの力のなさを痛感した日々となりました。
しかし、日本人への理解も深く、日本語もある程度通じるグアムの地であれば、短い期間でも英語に親しみ、会話にチャレンジしてみようという気持ちになれると思いました。
最後になりましたが、長期休み明けの慌ただしい日程にもかかわらず、我々を迎え、ホームステイ先の手配や交流会、授業参観などの場所を提供していただいた グアム・インターナショナル・クリスチャン・アカデミーのケリー先生をはじめとする先生方、関係者の皆様、また、シャイで言葉少なだったろう生徒たちを温 かく迎えていただいたホームステイ先のファミリーの皆様、さらには、青空教室や企業見学などでお世話になった現地の日本人の皆様などなど、多くの皆様のご 支援に心から感謝したいと思います。
参加生徒の感想(感想文より抜粋)/下條中学校2学年 熊谷 里奈
「じめじめして暑い!」一番はじめに思ったことでした。
予定とは違うホームステイ先になり、不安だった私に、ステイ先のケリー先生は「Nice to meet you」と明るく声をかけてくれました。
2日目の夜、お祭りのようなものをやっている所へ連れて行ってもらいました。そこで売っていたものは木彫りの置物など日本ではあまり一般的ではない、珍しいものばかりでした。
ここでもたくさんの人に笑いかけてもらいました。そこが日本人と大きく違うところだと思います。
日本人はある程度仲良くないと、あいさつや話すことができませんが、グアムの人は初対面でも明るくあいさつをしたり、手を振ってくれたりしました。気軽な雰囲気がすごくいいなぁと思いました。
たった4泊5日という短い時間だけで、まだグアムにいたいという気持ちがあったのは、本当によく接してくれたグアムの人々がいたからだと思います。
日本では絶対にできないような体験をたくさんすることのできた充実の5日間でした。
参加生徒の感想(感想文より抜粋)/中村 麻衣子
1日目は、緊張していてほとんど話さなかったり、ゲームをやろうとすすめられたけど断ってしまって、ぎこちない夜を過ごしてしまいました。
2日目、朝起きたときに、おはよう(Good Morning)をどのタイミングで言うか、すごく迷っていました。でも勇気を出して言ったら、笑顔であいさつを返してくれました。1日目より会話できるのが楽しくなってきました。
グアム・インターナショナル・クリスチャン・アカデミーの生徒との交流会では、私は折り紙を教えました。
「かぶと」を説明するとき、「Japanese SAMURAI's hat」と説明したら、驚いて、それからそれをかぶって一緒に笑ったとき、「英語が通じたよぉ〜」とすごく嬉しかったです。
最終日の夜、私たちは今までの感謝の気持ちも込めて、日本の白玉だんごを加えたフルーツポンチを作りました。味はよかったと思います。なぜなら、日本語で「おいしい」と言ってくれたから。
その日の夜は、みんなで写真を撮ったり、けん玉をして見せたり、いろいろなことをしました。
1日目のぎこちなさもとれて、すごく楽しめた夜でした。
参加生徒の感想(感想文より抜粋)/串原 護
交流会では、歌を歌ったり、日本のおもちゃで遊んだりしました。
僕は、剣道を伝えようと、竹刀の代わりに新聞紙で作ったものを使って剣道の試合を見せました。
その後、外で学校の生徒とラグビーをしました。やり方はよくわかりませんでしたが、学校の生徒が見せてくれたり、違ったことをしたらすぐに教えてくれました。
言葉はよくわからなくても、やっていると何を伝えようとしているのかよくわかりました。
ホームステイ先では、ステイ先の女の子のリアとその友達がバスケをしようと誘ってきました。
他にも同じ年くらいの子がけっこういました。
一人の男の子が、バスケで勝負をしようと聞いてきました。OKをして始めました。
2対2の試合で、先に30点入れた方の勝ちです。逆転されたり、逆転したりと白熱した試合で、僕たちが勝ちました。
グアムでいっぱい友達ができてうれしかったです。
参加生徒の感想(感想文より抜粋)/川口 知彦
グアムに行って3日目、現地の生徒達とリティディアンポイントへ行きました。
リティディアンポイントは、昔の貴重な遺跡があり、合衆国政府が管理しているので、普段は立ち入ることのできない場所です。
入る前に、国立野生動植物保護局のエミリーさんが、原住民のチャモロ人の言葉であいさつしてくれて入りました。
とても大きくきれいな植物がたくさんありました。チャモロ人が生活していた跡や神聖なお墓がありました。
洞窟の中には、チャモロ人が描いた鳥やタコなどの壁画や豚の骨などがありました。
次に、近くの海に行きました。海では、ヤドカリ、なまこ、ウニ、サンゴなどの生き物が見られました。
ものすごく透明で、きれいで気持ちのよい海でした。また、そこで珍しいサンゴやウミガメの産卵地が見れて良かったです。
その後、グアム大学の倉科教授にグアムの歴史を教わりました。
僕は、チャモロ人が三千年も前から住んでいたことや、グアムが昔海軍の基地で戦争の舞台だったということに驚きました。
参加生徒の感想(感想文より抜粋)/宮島 雄大
ホームステイ先のジョシュアの部屋で、洋平君と3人で夕食ができるまで待つことになりました。
しかし、待つ間にどのように話をしたらいいかが思いつきませんでした。十数分沈黙が続き、やっと良い考えがでました。
「僕があなたへ日本語を教えるのはどうですか?」
部屋にあったものでア〜ンを書き、それぞれの言い方を教えながら、「ペン」は「エンピツ」という、「JOSHUA」は「ジョシュア」と書くなどを教えました。
すると慣れてくるうちに相手も日本語に直してほしい英語を言ってくるようになり、初めのときよりも気軽に、会話がスムーズに進むようになりました。
夕食のとき、ジョシュアは教わったばかりの日本語を楽しそうに家族に話していました。僕も、うれしかった。
夕食の後、家族の人たちが歌を歌ってくれました。そして、そのあと、キリスト教のお祈りをしました。
「よい体験ができますように」そう祈りました。
そして、祈りは無駄ではなかったようで、2日目学校の交流会では、授業見学や生徒との交流などの体験で、「会話はなんとか通じるものだ」ということに気付きました。
僕は、海外研修で、もっと英語を学ぼうという気持ちが強くなりました。
参加生徒の感想(感想文より抜粋)/若林 歩
ホームステイ最後の夜、ケリー先生がレストランに連れて行ってくれました。
チャモロの食べ物でした。どんな料理かなと思ったけど、けっこう普通で日本料理っぽいものもありました。
4日目の朝は、私たちがみそ汁を作ってあげました。喜んでくれたのでよかったです。
4日目は、日本旅行のグアム支店に行きました。私は外国なので日本人はあまりいないかなと思っていたけれど、行ってみると日本人もけっこういて、外国人だけど日本語で話している人もいました。
どうすれば海外で働けるかや海外で働く苦労などを親切に教えてくれました。
次に、同じ建物にある日本領事館に行きました。領事館に入ると、「ここは外国だけど日本だ。」と言われてびっくりしました。
日本の本やビデオなどがある部屋もあって、日本について勉強できる部屋もありました。
企業見学をしている間は、グアムにまだいるのに、もう日本に帰ったような気がしました。
午後は、グアムの観光地を見学しました。途中で雨が降ってバスから降りれませんでしたが、恋人岬に着くと晴れていて、きれいな景色が見られました。
やっぱりグアムの海はきれいだなぁと改めて感動しました。
グアムに到着しました!
「文化交流」の様子 下條村の生徒が日本の歌や折り紙、けん玉などを紹介
グアムの生徒からは、お返しに
「スポーツ交流」の様子
挨拶の様子
(グアム・インターナショナル・クリスチャン・アカデミー校)
甘〜いココナッツキャンディーを作ってもらいました!
グアムで人気のラグビーを一緒に行いました。最初は意志の疎通がままならないこともありましたが、やっている間にどんどんと慣れ親しんでいきました!子供達には言葉の壁はないのです!